「どうぞ、結香様。
ここが、【少女館】です」
臨音さんが、にっこりと微笑みながら言った。
「・・・・・・」
私は正直、驚きすぎて何も答えることが出来なかった。
だって、私が想像したのは、見た目とは違いもっとキラキラしていて、豪華なホテルみたいな想像だったから。
でもそれは、ただの想像でしかなかった。
実際の【少女館】の中は、想像していたものとは全然違い、暗く、臨音さんの案内が無ければまったく動けないほどだったから。
「どうされました?」
何も言わない私を不思議に思ったのか、臨音さんは尋ねた。
「いえ・・・ただ、想像していたものとは全然違っていたので吃驚しただけです」
私が素直にそう答えると、また臨音さんは微笑んで、
「そんなに驚かなくても大丈夫です。
結香様が迷わないように、案内役として私が居るのです。
ですので、安心してくださって大丈夫ですよ?」
私は、臨音さんの笑顔と言葉に安心した。
「では、ここから先は結香様が決めることです。
結香様は、ここから先へ進みますか?」
臨音さんは、急に真剣な顔をしながら私に問いかけてきたけれど、私はさっきの臨音さんの言葉に安心していたから、
「はい」
と答えてしまった。
「では、私に着いてきてください」
嗚呼、どうして私は臨音さんの言葉を信じて疑わなかったのか・・・
あの時、「いいえ」と答えておけば・・・!!
何度後悔したって、もう時間は元には戻らない----・・・


