----ジジジジジ



突然、奇妙な音がしてふと、ガラスケースを見ると、毒入れ少女のプレートの下からハート型のチョコが出てきた。


「?何?このチョコ・・・」


私は、出てきたチョコを手に取り、眺めた。


「これは・・・ただのチョコでいいのかな・・・?」


私が疑問に思い、そう呟くと再びどこからともなく臨音さんの声が聞こえた。


「以上にて、"毒入れ少女"の訳は終わりです。ちなみにそのチョコは、この少女が彼氏に作ったチョコです。もしも、この少女をお買い上げになる場合は、そのチョコをお食べください」


「・・・へ?この子が作ったチョコなの?」


私は、毒入れ少女を見ながら尋ねた。


「ハイ。そうです。お買い上げにならない場合も、一口だけでしたら食べていただいて結構ですよ」


・・・ちょっと待って?


この毒入れ少女が作ったチョコなら、あの青酸カリが入っているんじゃないの?

・・・と、いうことは。もしもこのチョコを食べたら、私は死ぬの・・・?



「御安心ください。結香様。そのチョコは、ただのチョコです。毒は入っていませんよ」



御安心ください、と言われても・・・。

本当に、この毒入れ少女が作ったチョコなら、毒が入っているに決まってるじゃない。


だから私は、はっきり言ってやった。


「私は、この少女を買うつもりも、チョコを食べるつもりもありません!!」