混乱しながらも冷静さをとりもどし私はチューバのパートリーダー田端先輩にいった






せっかく選んでもらったのに失礼だと思ったが正直に
『今の私では先輩方の足を引っ張るだけだと思うので出たくありません』
と言ったほどだった


でも田端先輩は
『まだなれてないのはわかってる。でも低音が増えた方が曲に安定感がでるから私も責任もって教えるから』


チューバのパートリーダーで私がチューバをやりたいと思ったきっかけになった迫力ある演奏をする田端先輩が…


田端先輩がこんなに考えてくれているんだから頑張らなくちゃ!


私は闘志を注いでもらったかのように次の日から朝6時30分位には学校にいき練習をした

私の住む埼玉から都内の学校にはおよそ1時間くいかかるから5時30分にはいつも家を出ていた


その結果、一週間で楽譜の半分は吹けるようになったでもやはりM公演には間に合わず結果的には半分しかふけなかったこ
とが悔しくて仕方なかった




そしていよいよ一週間の夏合宿がやってきた


私は皆の足を引っ張るだけだった


私立だから部活推薦ではいった人もいるからなど弱音をはきたくはなかった


朝マーチング練習
昼まで個人練習
昼から個人テスト
夜から合奏

そんな一週間をすごしたのに私は上達できずにいた


私が皆の足を引っ張っている

楽器を持ったただの役立たず

私がいないほうがいいんじゃないのか…


次第にその思いは風船のように膨らんでいったんだ


そしていよいよその風船は…