小三の私に母は言った

『これからお母さんあまり一緒にいられなくなると思うわ。

でもそれは葵ちゃんを嫌ったわけじゃない。

葵ちゃんとお兄さんのためだから…いいかしら?』


小三の私には何の事だかわからなかったから

『…わかったぁ!』

とげんきよく返事を返したんだ



ペリペリペリ

葵はピンクの封筒の粘着テープを丁寧にはがしてゆく


そして封筒の中身を一気に引き抜いた


『…う、受かったぁ!』


県立が嫌で都内の高校を単願で受験した


というのは表向きの理由で本当は…



●入学式●

学校長『これで入学式を終了します』


高校生になった私青龍葵は吹奏楽部に入部した

理由は中学のころトランペットのパートリーダーをしていたからだ



でも全国レベルの子がわらわらいて弱小校でやっていた私が勝てるわけもなく…


私は誰も候補者が居なかったチューバという楽器をやりたいと言った


先輩がチューバを吹いている迫力に圧倒され胸にひびいたからだ


総重量五キロという楽器に慣れるのは大変だったけど楽しくて楽しくて仕方なかった


ある日先輩から突然言われた

『こんどやるM公演に葵に出てもらうから』


まだ1ヶ月くらいしかチューバをやっていない初心者どうぜんの私は驚きをかくせなかった


しかもM公演まであと一週間しかない!!


私いったいどうなっちゃうのぉお!!!!!