「桜、本当にありがとう。

 何時何処にいても守護してくれているのだね。

 これからもよろしくお願いするよ」

 玄関前の桜の並樹が午後の陽光を受けて、満開の花をそよ風に靡(なび)かせて

その隆盛を物語っていた。

 光祐さまは、青空に輝く満開の桜にこころから感謝の気持ちを伝えた。

 桜の並樹は、光祐さまの言葉に春の溢れる陽光の中できらきらと輝いて応じた。

                      〈 桜物語 桜の章 完 〉


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