「ウチの情報網舐めてもろたら困るで〜っ」



そんな私に確かな決定打をくれたのは明さんではなくオカジーだった。
後ろから頭をガシガシと撫で回されて髪の毛がぐちゃぐちゃになる。顔は見えなくても、今この場で独特の関西弁を用いる人物は彼女しかいない。



「今回は一体何処から仕入れたのさ」

「爽やか前田くんが所属するサッカー部の後輩達やったかな?」



ニカッと笑った彼女はすごく満足げ。さては賭けに勝ちやがったなコノヤロー。
私はすかさずどうして疑問系なんだ!って言いたくなった訳だけどあえて口にする事は止めておいた。



「あんたのネタは高く売れるさかい、次もまたよろしく頼むで」



オカジーの好きなこと……、それはきっとお金とゴシップだ。
頭の良いオカジーは、そんな大好きな二つを合体させて日々生計を立ている。
自分で集めたネタを新聞部に売り付けてウハウハしているのだ。
出会ってからまだ半年も経ってないんだけど、最近なにかと良く関わっている様な気がする。
晃さんはそんな彼女の事を面白いヤツだと認識しているらしい。私も面白い子だとは思う。それこそトークは一級品だし。



「あ、アリスちゃん後で写真撮らせて。出来れば猫耳付けてもろて上目遣いでお願いしたいんやけど」

「…………」



その分迷惑さで言っても、また一級品なんだなこれが。
勿論、そんなオカジーの無理めな申し出などは丁重にお断りしておきましたとも。