話は専門学校時代にさかのぼる。


俺は福祉専門学校の介護福祉士科に通っていた。

想像以上に女ばかりで気が滅入っていたが

今考えれば若い女ばかりに囲まれる、こんなハーレム生活滅多にない美味しい状況だった。

現場に出るとおばちゃんばかりで逆に気が滅入る事になるという事実に
あの時の俺はまだ気付いていない。


「滝君!」


当時俺は、クラスメイトの綾に恋をしていた。


「今日この後みんなで鍋パーするけど滝君も来るでしょ?」


「ああ、レポートだけ提出したらすぐ行くよ」


「解った!じゃあ私の家に直接来てね!」



友達も多く、いつもニコニコしているとても可愛い子だった。



俺が初めて好きになった子は

「死んだおばあちゃんに何もしてあげられなかったから…」

そう言って介護の道を志した、そんな心優しい子だった。