「と、も……き?」





突然の智輝の行動に苦しそうにしながらも見上げるように視線を向けて問い掛けてくる。











それすらも可愛くて……。





強く胸に留まっていた想いが溢れてくる。



「お前……可愛すぎだろ」

「えっ?」



驚く麻耶の顔を見て思わず笑ってしまう。


「はっ? 何が!?」


訳がわからないと言ったような表情の麻耶。頬が少し桃色に染まってるようにも見える。





わかってない! でも、それが可愛い!









「つまり……」



智輝はゆっくり麻耶を胸から引き離すと




「こう言うこと」









そのまま、顔を近付けキスをした。
それはほんの一瞬――。





唇が触れるか触れないかのほんの一瞬だけ。