お嬢様の悩み






カバンを持ってあたしの方へ向かって来る男。


長身にしっかりセットされた薄い茶色の髪。


切れ長のキレイな目。


こんな子……いたっけ?


席には座らずにどこかに行ってしまった。


やっぱり席隣だし…話とかしといた方がよかったのかな…。


まぁ、別にあとでもいいや。



「おーい。華音?」

「えっ…あ…うん」



あたし達は教室を出た。