っていっても、あたし宮本以外に運転してもらうの初めてだし…。
「お嬢様、用意ができました」
「あっありがとう」
妙な緊張感を持って車に乗った。
ま、女の人だし大丈夫だよね。
って言うか名前知らない。
何十人と居るし名前なんて覚えてない。
普段はこんな事ないと思ってたし…。
「ね、失礼だけど名前教えてもらえる?」
「私、牧村さおりと申します」
「さおりさん。ごめんなさいね」
「いえ。何十人とメイドがいますから仕方ないです。私も名前覚えてないメイドいますから」
「そうなの?もしかしたら皆そうなのかな?」
「そうかもしれませんね」
思ったより話しやすい人だ。
いつしか緊張感も消えていた。

