ふわふわ ふわふわ。
何て気持ちが良いのだろう。
寒さなんか 気にならない。
ずっとここに居たい。

しんしんと降る雪はどんどん積もっていき
僕の心をワクワクとさせた。
「綺麗だ・・・。」
ふと 呟いた。
その時 手の平に雪が落ちた。
大きな結晶の固まり。

この雪に町全体は白く染められる。
それが なんだか淋しそうに見える。
でもどこか哀愁があって
外を出ずにはいられない。


何時間も そこに居て僕の頭には雪が積もっていた。
「さとちゃん!」

「雪・・・。」
僕の近くに寄ってきたのは
幼なじみの雪だ。
肌は白く濡れたような黒い髪がよく似合う。
「さとちゃん、風邪ひいちゃうよ?」
雪は僕の頭の雪をパッパッと掃う。
「だめだ!」
僕は雪の腕を 掴んだ。
「えっ?さとちゃん?」
だめだ。
雪がそんな事しちゃダメなんだ。
僕は雪とずっと一緒に居たいんだ。
「さとちゃん・・・」
雪は軽くため息をつくと
僕の横に座った。
「雪・・・?」
「私が横に居てあげる。」
雪は それだけ言うと
降ってくる雪を見つめた。
雪はどう感じているのだろう。
同じ名前の雪。
いずれ溶けてしまう雪。
俺は 雪が好きだから雪が好きになった。
雪にこの気持ちを伝えたら 雪はどんな顔をするのかな?
僕たちは まだ小学生だ。
きっと雪には まだ伝えられない。
いつか きっと伝えよう。