運命の、その場所で


―ピタ


「つめたッ。」
急に熱くなったほっぺに冷たい手が触れて、私は驚いて一瞬目を閉じた。

パって目を開けると、彼の手が私のホッペにあって
前にもこんなことあったなって思い返していた。





「ユキのほっぺは、いっつも暖かいな。」

「そう?」

「うん…マフラーなくても大丈夫。」



ヘヘって笑いながら、彼は両手で私の顔を包み込んだ。



「マフラーは首じゃんか…手しか暖まらないよ?」


「それでもいいよ。暖かいから。」



優しい顔をして、私のほっぺから熱を奪っていく…




「ありがとう…」

「ん?」