運命の、その場所で



学校に着いて、一緒に靴箱に行くと何故かそこにはミナがいた。


ミナはすっごい驚いた目で私と彼を見てる。


「おぉー!新垣~!!」
片手を挙げてミナにアピールをして笑ってる。
ミナを見ると、ちょっと怒った顔で彼を睨んでいた。


「ミナ?…おはよう。今日は、遅いんだね。」

「……おはよう。」

それだけ言うと、ミナは走り去って行った。

なんでミナがあんな顔をしたのかはわからない…
けど、彼もそんなミナの姿を見たせいかちょっと顔が引きつってた。




「今日も…予備校?」

「ううん。今日は休み…」

全然笑わなくなった彼の姿を見て、何故か胸が痛んだ。

本当は予備校休みじゃないのに…”休み”って嘘…ついちゃった。


「じゃー、一緒に帰ろう?」

無理して笑った笑顔…

「うん。」
私も…笑顔になんかなれなかった。





靴を履き替えて、途中まで一緒に廊下を歩いて私の教室の前でバイバイをした。

ずっと…その間、彼は笑うことはなかった。