運命の、その場所で





「で?何?さっき言おうとしてたの…」

「え?あー…、そんな名前呼ばなくてもこのバス停くるから…」


とぼけてるのか、首を少し傾ける彼。

「…ん?」

「だから!!さっき…そこで私の名前叫んでたっしょ?」

「あぁー!!ははは…。だって、ユキの姿見たら勝手に呼んでたんだもん。」

そう言って、また私の頭に手を置く…


彼は…私のこと妹って思ってるの?
なんか…身長が低いからとか関係なく、
いっつも下に見られてる気がする。




そんな会話をしてると、いつの間にかバスがやってきた。


「お、来た!!」

子供のようにバスが来たことにはしゃぐ彼…
そんな横で私は気付かないうちに笑ってた。


移り行くバスからの景色。
いっつも静かにバスで小説を読んでたのに、
今日からはずっととなりで彼の話に耳を澄ましてクスクスって笑うんだ。
それも…"平凡"って感じがするよ。