運命の、その場所で



今なんて言った?


参考書は手からスルリと足下に落ちた。




「バカでしょ?辞めなって。」



高い声の女は、笑いながらそんな事を言ってる。


私はその場で立ちすくみ、必死に耳を澄ました。







「冗談じゃないって…かっこいい死に方だろ?」



彼の声だ…




私は急いで参考書を拾って、公園の中に入って行った。


入ってすぐのベンチに、女の人がいてその隣に彼もいた。




「…あれ?ユキじゃん。」