運命の、その場所で


今の生活にはまだ慣れてはいない。



高校のようにナチが隣にいなくて、私も毎日泣きそうなくらい孤独に襲われていた。



「でも、これからはこのペアリングがあるから…大丈夫だな。」


私の前で手をパーに開いて、オソロな事を強調する。

その姿が笑えてきて、すっごく嬉しくて…

涙がポロポロ零れた。


「え?おい、泣くなって~。」

そう言いながら、私を抱きしめてくれた。


耳元でナチの息遣いが聞こえる…



「ナチ…好き。大好き。」


「…俺も大がつくほど好き。」


さっきより力強く私を抱きしめてくれた。



ナチと付き合い始めてから、ミナによく借りるようになった恋愛漫画。

漫画では、この状況からすると…

押し倒されて…と続く。


私は何処かで、その展開を期待していた。



ナチになら…何されてもいい。

全てナチに見せてあげても大丈夫。

こんなに好きで、こんなに愛しい人が目の前にいる…

だから、ナチ…我慢しなくていいよ?



だけど、ナチは違うかった。