運命の、その場所で

12時が過ぎてから、ナチと私はハッピーバースデーの歌を一緒に唄った。

19本のローソクの乗ったケーキ。

「ふぅ~。」

息を吹きかけると綺麗に消えて、ナチが欠かさず言ってくれた


「誕生日おめでとう。」

パチパチ~と拍手をしてる。


「…ナチも、かなり前だけどおめでとう。」

「どーも!」

照れるように笑って、電気をつけた。


「ナチ、プレゼント!」

後ろに隠していたプレゼントを差し出すと、ナチは驚いた顔をしたあと、すっごい笑顔になって受け取ってくれた。

「ありがと!何?中身見ていい?」

プレゼンとは小さな箱に入っていて、
ナチは私がうなずくと、綺麗に巻かれていたリボンをとって包装紙をはがし、箱を開けた。


「…え?」

箱からゆっくりと取り出して、目の位置まで持ち上げ、目をキラキラと輝かせてる。

「腕時計…ナチ、家にも時計ないし…腕時計もしてるの見たことないから。」

そう言いながら腕時計をナチの手に装着した。