運命の、その場所で

「ハハハ!ハッピーバースデ~。」

ナチは笑いながらクラッカーを横にふった。


「…もう!びっくりすんじゃんか~!」

「ごめんごめん!でも、驚いたろ?
サプライズじゃ~ん。」

まだ笑ったまま、ナチは靴を脱いで家に入った。

「そんなサプライズ…」

いらないって…


「ヒカルが教えてくれたんだぞ~。きっとユキなら、驚くって!」


ヒカルが?!

アイツ…さっきの"頑張れ"はこの事かよ!!


髪に絡まった紙テープをとって、ゴミ箱に捨てた。

「明日会ったら、ぶん殴ってやる!」

「おいやめろよ~、ヒカルが可哀そうじゃんか~!」


ま~だ笑てるナチは、そう言いながら机の上のから揚げをパクっと食べている。

「お~、美味い!」

「ナチ!まだ、ダメだって。」

急いでナチの手を止めて、言うとナチはペロっと舌を出した。

本当に子供だ…ナチは