運命の、その場所で


「ん。」

下ばかりを向く私に、ナチは手を差し出した。





その手には、ボタンが乗せられていた。


一瞬驚いたけど、すぐに第三ボタンだと思ってボタンを返した。


「いい…私もボタンもってるし…。」

「なんだよ~、お前もヒカルに似たな~。」

クスクスっと笑って、ナチはボタンを握った。


なんでこんな風に笑えるのかな?

私はすっごく悩んでるのに…


好きなのに

なんで言えないのかな?

ずっと、ずっと好きなのに…


「ユキ?」

ナチと出会ってから私は泣き虫で弱い人間になったよ。

今もまた泣いちゃって、ナチに心配してほしいと思っちゃうんだ。


その第二ボタンの子の彼氏になっちゃったのに…

私のそばに居てほしいと思っちゃう


わがままだよね?


こんな女、イヤでしょ?


でも、それでも・・・