運命の、その場所で



『お前が遅いから』



本当…私って遅いね。


逃げ道ばっかり入って、迷っちゃった。


迷って、迷って・・・やっとたどり着いたときには


もう遅いんだ。




「ヒカルにあげる~。」

そう言いながらナチは第3ボタンを取り外した。

「え?なんで第3?」

「さっき女の子が言ってたんだけど、
第一は自分で、第二が恋人、第三が友人らしい~。」


「・・・どっちにしてもいらない。俺、ボタンあるし…。」

もらったボタンをナチにつき返しヒカルは歩きだした。

「お前な~青春だろ?もらえよ~」

「いい!いらね~。ってか、そーだ…ユキ、ミナは?」


いきなりふってきたヒカルの質問に私は少し戸惑った。

「え・・・えあ~…さ、さぁ?」