運命の、その場所で



「また寝なよ。薬ものんだし楽になるよ。」

「うん…。ナチは…」

「ん?何?」

食べ終わった食器を片付けながらナチは私の話に耳をかたむけた。



「なんで何も聞かないの?」


動かしていた手を一瞬止めたが、またすぐに動かして食器を持って立ち上がった。


「…そりゃー気にはなるけど…。でも、言いたくないなら聞く必要もないだろ?」

相づちを打って、食器をキッチンへと持って行ったのかこの部屋から見えなくなった。



なんで?

なんでナチはこんなに優しいんだろう

その優しさが、傷付いた所に絆創膏を貼ってくれるような気がした。




再びこの部屋へ戻ってきてくれたとき、私はゆっくりだけど、しっかりと今までの話をした。


アイツの再婚の話

新しい子供の話…

アイツに言われた言葉のこと・・・