運命の、その場所で

「俺の家。」

そう言うと、洗濯籠を床に置いて私の横に座って手を伸ばしてきた。

私は反射的に目を閉じてしまった・・・が、ナチの冷たい手はデコにあてられた。

「うーん・・・やっぱりわかんね~」

「ふえ?」

「しんどい?はい、体温計・・・ゴットハンドじゃないから触っただけじゃわかんね~。」

笑いながらそう言って、体温計を渡してまた洗濯籠を持ってどこかに消えてしまった。




―ピッピー!!

体温計から音がして、取り出して液晶をみた

さんじゅぅ…

「37.8!やっぱり熱あんね~。」

見上げると、横からヒョィっと私から取り上げた体温計に表示された体温を確認するナチ


「お腹減ってないよな?」

「う、うん…。」

「でも…薬飲むには食べないとダメだ!
今おかゆできた所だから、ちょっと待ってて。」

体温計を入れ物に直しながらそう言ってニコっと微笑んでくれた。

その笑顔になんだか申し訳なさを感じた。