運命の、その場所で


ナチは何も言い返してはくれなかった。

自分の着ていたコートを私に着せて、強く・・・強く抱きしめてくれた。



「死ぬな。命を簡単に捨てるな。」


ナチの胸のなか・・・私は、ナチの言葉にまた涙を流した。


本当は死にたくなんかなかった

ナチの横にいて笑っていたい


だけど・・・


この世界に、私の居場所はどこにもないの




  ―…・・――

―ジャー・・・カラン!カシャ・・


目を開けると、私は何故か布団の中に入っていた。

どこかから食器を洗うような音が聞こえる


―ジャーキュ! ドタドタ・・・


「んー・・・。」

物音がするなかゆっくりと起き上がった。


「お、起きた?」

すこしぼやけた視界のなか、ナチが洗濯物を抱えながら立っていた。


「・・・ここどこ?」