運命の、その場所で



「おい!寝んな!おきろ!」

冷え切った体を誰かが、必死に揺さぶってくれる。

でも・・・やめて。


このまま死んでお兄ちゃんの所に行くんだから。



「おい!ユキ!」


その大きな声で、私は我に戻るように辺りを見回した。



「ナチ?」

目の前には、すごい必死な顔をしたナチがいた。


「ユキ!どうしたの?ユキ?こんな所で・・・」

言いながら、私の手を握り締めるとまた驚いた顔をしてる。


「いつからいたんだよ?冷たすぎるだろ!」

「ナチ・・・?ナチィ?」

「ん?」


やっと見えた・・・

アイツの顔で消えかかったナチの顔


やっとここに・・・


「ナチ・・・死にたい。」