運命の、その場所で



「いい加減にしなさい!高校生にもなってわがまま言うんじゃないの!
あんたのために、子供を降ろさないといけない理由があるの?」

「私は、ママとパパの子供だもん。
そんな知らないおっさんの子供なんか」

―ペシ!

また叩かれたほっぺ…

ジリジリと痛みが走る。


「そんなに嫌なら、あんたが出て行きなさい。」


「おい、ゆみこ。」


なんで?

あんなにパパと愛し合ってたのに…


なんで?

ゆみことか言うの?



ママは、パパの奥さんなのに!




「ママは忘れたの?
パパやお兄ちゃんを…」


「は?」

口が悪いママ…

「いつから?パパの命日を忘れたのは…」

「死んだ人に、いつまでもかまってられないわ。」

―パシ!

力強く、震える手でママを叩いた。