運命の、その場所で


再び目をあけると、ナチは既に立ち上がっていた。

私も立ち上がって、お兄ちゃんにバイバイをした。



滑りそうな道を慎重に歩いて、お墓を出た。


「寒いし、ミスターにでも行こう~。」

「おう。」

少し歩くと、人がいっぱいいる道に出た。

さすがに、ここの雪は溶けていて少し黒い雪の固まりがあちらこちらに分離していた。



ミスドに入って、いつものようにカフェオレをお互い頼んだ。


「そういえば、さっきナチお兄ちゃんに何言ったの?」

「え?」

飲もうとしていたカフェオレを口の前で止め、ニヤっと笑い

「どーもー、ナチで~っす!って。」

と言って、カフェオレを飲んだ。


「えー、それだけ?」

「うん。」

「…そっか。」


普通なんだけど、なんかショックだった。

もっと、なんか話してるのかと思ったのに…