「カバンって…先生が持ってるの?」
「たぶんな。」
先生が持っていたのはやっぱり私のカバンだった。
私は彼の言うコトが当たったことに驚き
彼を見たが、彼は私よりも先に私の方をみていたみたい。
目が合うと自然に笑顔がこぼれる。
「な?」
斜め上…
そこには彼の得意げな表情があって、そのコトバに私は思わず声を出して笑った。
―男はチャライから…
笑顔なんて信じちゃいけない―
今日の朝出会ったばっかりの彼。
名前も何も知らないけど、
この笑顔に今まで思ってた男のイメージは見えなかった。
ただ、その優しい目に何かを感じた

