運命の、その場所で


こ、これが恋なの?


「ユキ?私のことなんて気にしないで、頑張って!
応援するから。」


「え…う、うん」



まるで迷路から抜け出したような感覚だった


胸のなかで見え隠れしてたモノが、パァーって光ってモヤモヤしてた気持ちがスゥーっと抜けた。


これが、恋なんだ。



自然と手が胸に添えられていて、頭にはナチの笑顔が映画のワンシーンのように流れまくってる。




ナチが…好き?






―キーンコーンカーンコーン




遠くでチャイムが鳴ってる気がする…



「ユキ?」

「ぅえ?」

振り返ると、ミナが半笑い状態で私を見てる。


「もう、授業全部終わったよ?
どうしたの?ナチのことでも考えてたの?」

「え?」

時計を見ると確かに6限はとっくの昔に終わった時間だ・・・

ってか、終礼も終わった?


え?


えぇー??


ずーっと…私、ナチのこと考えてたんだ?!