運命の、その場所で



どうして…こんなつまらない話をしてしまったんだろうと、言い終わって思った。

でもそれはきっと…ナチに知っていて欲しかったから。


私のこと…知っていてほしかったから。




「ごめん…こんな話、面白くないよね。」

「ううん。そんな事ないよ…俺からは何もしてあげられないけど…。」

うつむくナチ

「ううん。聞いてくれただけで嬉しいから。
ってか、それより昨日メール返してくれなかったのは…寝てたの?」


確かナチは暗い雰囲気嫌いだったのに…


自己嫌悪だった。

すぐに話を摩り替えようと聞きたかったことを言ってみた。


「ん?あ~、うん。寒いから布団入ってたら寝ちゃった。」
そう私を見ながら言ってくれて少しホッとした。

「なんだ~、でも確かに昨日は寒かったね!」

「だよな~。ヤバかった!鼻水ズルズル。」

「汚い~!!ハハハ!」


ナチの笑顔は、どんなカイロよりも私の心を暖めてくれる。


ナチの側にいれば、そのときだけはいろんな悩みから逃れられた。