運命の、その場所で


「先生!!タニヤン先生!!」

タニヤン先生…

谷山先生の事だ。


大きな声で先生をよび、
私と繋いでいない手を大きく横にふって先生に必死のアピールをする。




「ん?なんだ櫻井か。
あ…お前やっと起きたのか?」

「え?」



先生はまるで独り言のように
小さな声でごにょごにょ言ってて
よく聞き取れない。



「カバン!」

彼も同じに聞こえていなかったのか、先生の言葉を無視する。




「あ?・・・あー、カバンな。」

先生は思い出したように机に戻り何かを取っている。