館内には、初めてみるぐらい少ない座席が部屋いっぱいに広がっていた。
少し古びた赤いシート…
ナチは真ん中まで私を引っ張って「座って」と言ってきた。
私はナチの言うとおり、イスに座った。
「寒いな…」
ボソっとそう言うと、カバンの中からカイロを取り出して私に渡してくれた。
「ありがとう。」
「おう。」
そして横に座る。
シーンとしたこの部屋には、ナチと私だけ・・・
静かなこの部屋で、私はゆっくりと口を開いた。
「…あのね…、明日お兄ちゃんの命日なの。」
「へ~。お兄ちゃんいたんだ。」
「うん。」
メニュー