運命の、その場所で



「ここ…どこ?」


降りたバス停の前には、小さな映画館が建っていた。



「俺の、昔よく来た映画館。もうすぐ、つぶれるけど…」



公開されてるのはたったの2本。

人気はまったくと言ってもいいほどない。



ナチは歩きなれたように映画館に入った。



「おっちゃん!久しぶり。」


「お~、ナチか~。また授業サボりか?」

そこには寒さをしのぐために石油ストーブにあたった老人が一人いた。


「今日は寒いから休み!映画何時から?」

「9時から…。今日はこんな天気だしどうせ誰も来ないよ…ゆっくりしてけ。」

「ありがとう。」

そう話終わると、ナチは私の右手を引っ張って小さな映画館へ連れていってくれた。