運命の、その場所で



ナチは驚いてた。

どうしたの?って何度も聞いてくれたけど、何も言い返せなかった。


言葉がつまって、ただ泣くことしかできない…



到着したいつものバスには乗らずに私たちはそのままバス停で過ごした。


ナチは途中から何も言わなくなった。

ただ優しく私を抱きしめてくれた。



数分して、私もやっと落ち着いた。


でも、もう学校に間に合うバスはなくなってしまった。



「ごめん…これじゃー、遅刻だね。」


泣いたせいか、すこし鼻声な自分の声がかすれながら出てきた。

「ううん…ってか、今日はもうサボろう。
このまま…どっか行こう。」


ナチはそう言って、次のバスに私を引っ張って乗車させ何個か過ぎたバス停で一緒に降りた。