運命の、その場所で



ナチ…どうしたんだろう?
メールもこないし…この寒さで風邪ひいたのかな?

不安はまた新しい不安を呼んで、雪じゃない寒さに凍え死にそうだ。


―ザクッ ザク ドテ!


その音が耳に入って、私はすぐに横を向いた。


「ィテテ・・・」


腰を抑えながら、道端に座り込んでるナチ。


よかった…

「ハハハ…ユキ、おはよう。」

不安な気持ちは、ナチの笑顔ですっとんで行った。


「おはよう。」

手を差し出して、転んだナチを引っ張った。



「ありがとう。遅刻するかと思って走ったらこけちゃった。」


「ははは、大丈夫?」


「うん!」


とびっきりの笑顔…


だけど…どうしてだろう?



涙がこぼれる。