夢だった。 お兄ちゃんはもういないのに… もう何年も昔に…死んだのに。 枕が濡れていた。 目元も濡れていた。 太陽の光が、カーテンの隙間から差し込んだ。 私はゆっくりと起き上がって呆然と考えた。 そうだ…私、あの後また寝たんだっけ? 机の上にあるカレンダーを見ると○印された所に目がいく。 12月5日 お兄ちゃんの命日。 それは、明日だ。 また今年もやってきたんだ。 この日が…