運命の、その場所で


寒い外の空気…

冷え切ったカイロを私は握り締めた。



いつもなら、ナチが…


少し期待してしまう自分が哀れで、バカだな…


「おい、待って!」

ヒカルの声だ・・・



私は首をかしげながら振り返った。


「先帰るなよ…。」

「え?」

走ってきたのか、少し息がつらそう。

呼吸を整えて、ヒカルはポケットから何かを取り出した。


「ん。ナチから。」