運命の、その場所で





「いいよ。…俺、帰るから。
じゃー、明日遅刻すんなよ」


「おう!明日な。」


そう言葉を交わすと、ケシゴム男は帰って行った。



私が男の帰る姿をジーっと見つめていると、ナチが何かをホッペに当ててきた。


「ぅわ!」

ジワ~っと伝わる暖かさ…


「帰り、寒いと思ってコンビニで買ったんだ。」




それって…心配してくれたってこと?




「・・・ありがとう。」




なんか、照れてしまう…

それに、すっごく暖かいカイロ…ナチが温めてくれてたんだね。


「うん。一緒に帰ろう~。」


そして私たちは暗い夜道を二人で歩いた。