運命の、その場所で



「同じ…」




それだけ言うと、カイロを私に返してくれた。

「え?」

「カイロで温められるより、
カイロが温められてるって感じだな!」



伸ばした人差し指は、カイロを差していた。



「…うるさいな~。」



ちょっと笑いながら、カイロをポケットの中へと戻した。


「ナチだって、さっきまでブラックとか言ってたくせにカフェオレじゃん!」

私もナチのように人差し指でカフェオレを差した。


「…カフェオレのほうが温まる!って感じすんだろ?
ブラックも飲むよ!今日は、カフェオレの日。」


強がってるってすぐにわかった。

一緒にナチと笑って、予備校の時間はあっというまに来てしまった。