運命の、その場所で




掃除も終わって、私とナチが一緒に学校を出た。



ミナは彼氏とデートらしく、声をかけようと探したときにはもういなかった。




寒い空気のなか、私はポケットに入ってるあまり熱のないカイロを握り締めていた。


「何処いく?」

ポケットに手をつっこんで、前かがみに歩くナチ。


「何処でも…いいけど、寒くないところがいいな~。」

「…ミスターにでも行くか?」

「ミスター??」

「ドーナッツ!」

ナチはたまにわけの分からないところで略してくるから、そのたびに戸惑ってしまう。

「ミスドね…いいよ!新しいの出たらしいから、食べたかったんだ!」


ミナはミスドでバイトをしている。
だから、ミスド情報は結構早い!!
美味しいから食べてみなよって…言ってた!