運命の、その場所で



苦笑いをしてそういうと、ナチは私の持っていたほうきを持って教室に向かって叫びだした。




「時間ないから、掃除変ってくれ~新垣!」



ミナも掃除当番なのに…



机を運びながらミナは、ナチを流すように見た。


「ナチがやれば?私も、当番なんだから!」


「…なんだよ~。しゃーねー…俺も机運ぶ。」
少しほっぺに空気を溜めて、私にほうきを返してくれた。


「え?ナチいいよ、そんなすぐに終わるって。」

「いや!時間あんまないんだから…俺もする!」


気合いを入れたのか、制服を捲り上げて机を運び出した。




「…櫻井がなんでここにいんだ?」



先生は状況が読めてなくてかなり混乱してる。
そんな姿をみて、クラスにいた人たちは笑い合った。

でも、ナチはそんなの無視してせっせと机を運んでくれた。

その姿が、またみんなの笑いをそそる。


ミナ…こんなんだったんだね?
ナチと過ごした中学生活…なんか、すっごくうらやましいよ。

私も、一度でも同じクラスになってれば
もっと…もっとナチを知れたのにね?