運命の、その場所で




これでよかったんだ。





卒業式の時、
ナチに群がる女の子たちを見ながらそう思った。



中学を卒業すれば、
もうナチに会うことはないし
自然にお互い忘れていくんだよね?って…




普通の生活に戻れるよね?って。



だけど、高校に入って驚いた。


「新垣、おはよう。」

ナチは、同じ高校にいた。

同じ校章のついた制服を着て…
友達の男子と一緒に廊下を歩いて、私がいるのに気がついて声をかけてくれた。



なんで?

なんでナチがここにいるの?

ナチは…ナチの高校は…

ここじゃないはずでしょ?