言いたくなかった…
元彼の子だなんて…
ナチはそれでも頭を下げたまま…だった。
沈黙の空気…
「だったらなおさら…
産むわけにはいかないだろ。
キミにも父親になる責任はないんだから。」
沈黙を破ったのはお父さんだった。
「ミナ?それ本当なの?」
お母さんは私の横に来てそう聞いてきた。
私は顔をあげないナチを見ながら答えた。
「うん。」
こんな事になってしまうなら…
ナチにこんな思いをさせるなら・・・
あの日ナチを誘わなければよかった。
ナチに責任なんかない。
全部私にあるの。
「もう、産まないって決めたから。」

