お茶を飲んで一息ついて、空になったお弁当箱を片付ける。二人もお弁当袋を畳んでポケットにしまった。

「そういえば、お姉ちゃんの彼氏、かっこいいねー」

「ゆー、大きくなったらああなりたーい」

「え、友達だって」

 それ以前にいなくなっちゃったから会っていないはずなのになぜ知っているのだろうか。

「この前、会ってないよね?」

「ちぃ、眠いからお昼寝しに帰るねー」

「ゆーも」

 質問には答えずに二人は帰ってしまった。釈然としないまま、さっきの本を読み終えてから私も家に帰った。
 家についた頃には夕方で、そういえば『ひとりでクッキング』もこの時間だったことを思い出し、懐かしくなってテレビをつけた。

「ドキドキ、クッキング! やっほー、マミだよ。今日はゆで卵を作っちゃうよ!」

 番組の名前はいつの間にか変わっていて、登場する人もかれんちゃんでも、めぐちゃんでもなくマミちゃんになっていた。二人は昨日見たと言っていたから、なぜ違うのかが不思議で、分からなかった。

「完成! 昨日作ったサラダと一緒のお皿に盛り付けてみると、さらに可愛くなるよ。例えば、クマさんも作れちゃう! 色々工夫してみてね!」