「よっ、少し焦った」

「ごめん、ごめん……」

 案の定、丁度友人がやってきたところだった。

「……あのさ、タケちゃん。会わせたい人たちがいるんだ」

「お、おう」

 少し真面目そうな感じで言ってみたら、結構真剣な顔をされてしまった。もしかしたら悪いことをしてしまったかもしれないと思いつつも、今さら言えないよなあと思って、早く二人のところへ行くことにした。


 桜の木の近くまで行ったら、二人はいなかった。
 そんなに時間は経っていない。待ってると言ってくれたから、どこかに行くはずなのに……。
 まさか、犯罪に巻き込まれたりしていたら……。

「どうしたんだ?」

 そんな私の焦りが伝わったのか、タケちゃんは心配そうに声を掛けてくれた。

「実は――」

 正直に事実を話した。本当はふざけて深刻そうに話しただけで、最近仲良くなった小さな子どもたちを紹介したかっただけだったこと。その二人がここで待ってると言っていたにも拘らず、いないということ。
 小さな子どもだからということもあり、心配になって二人で公園中を探し回ったけれど見付からなかった。

「もう帰ったんじゃねえか、そうだろ?」

 言い聞かせるようにタケちゃんは言った。
 そうだよねと自分を納得させて、私も家へ帰った。もう周りはうす暗くなっていた。