遠回りになるから、直接駅にしよう!? という私の申し出は、いとも簡単に却下されてしまった。 智樹はなぜか、家まで迎えに行くって言い張った。 「智樹ごめんね!っと……どこ行く?」 「ははっ、なんでそんな息乱れてんの?」 智樹は笑いながら、質問の答えとは違うことを言う。 指摘されたことが図星で、私は即座に真っ赤になる。 「は、早く智樹に会いたくてっ……」 恥ずかしくて髪を触ると、その手を掴まれた。