「スキ」をちょうだい?



「いきなりは無理かもしれないから、電話がいいと思うよ!」



懲りずにまだ言っている渚に苦笑しながら、今まで気が付かなかった自分の愚かさに落胆した。



可奈がいつも不安そうだったのは、俺が原因だったんだな。



直接の方が嬉しいんだろうな。



でも、面と向かっては……無理だな。



エイプリルフールに電話を掛けてしまったのは本当に偶然で、言うのに何日もかかってたというのは……誰も知らない、また別の話――。