「いーやいや。女は欲張りだからね。今にそんなんじゃ足りなくなるよ」 翌朝。 幸せ気分はそのまま、ふわーっと空まで浮かんでいきそうな私に、キツい一言。 一気に地上に打ちつけられた。 「なんでよー。渚じゃないんだから。厳しいこと言わないよ?」 智樹が口下手なのは、知ってる。 ささいなことだけど、ほんの少しの行動だけで嬉しいもん。