恵都の部屋の、四方をうめつくす素晴らしい絵に

あたしはすっかり心を奪われ、食い入るように見ていた。

「気に入った?」


「うん…すごく…」

「よかった」

恵都は微笑みながら、机の上にある数本の絵筆を手にとると

毛先を整え、ひきだしの中から新しい絵の具箱をとりだした。