黒兄みたいに、夜空のような漆黒も素敵だと思う。

しま兄の波打つような灰色のしま模様も綺麗だと思う。

けど、やっぱり、あたしは断然、白に憧れる。


ネズミ取りを教えてやる、と追いかけてきたしま兄から、

ようやく逃げ出せたあたしは、空き地へ戻ってくると、わくわくしながら草むらに分け入った。