恋する猫は、月の下~花の名のキミ~

絵が完成に近づくにつれ、恵都があたしの知っている恵都じゃなくなった気がした。

実際には、いつもと同じ優しい恵都に変わりはないけど


あたしの不安はとまらない。


この絵は、本当にあたしなの……?


つのる不安に、何度も浮かび上がる、その言葉を飲み込んだ。